日本人が得意な「まぜこぜ」

blog

日本人が得意な「まぜこぜ」

2025/12/25(木)
アンジーさん

ベルリンでの暮らしが、風景だけでなく価値観そのものを揺さぶっている様子が伝わってきて、
とても興味深く読みました。
特に、落書きを「治安の悪さ」や「汚さ」ではなく、社会の中で声を上げにくかった人たちの
歴史や思いとして捉え直していく視点に、はっとさせられました。

一見すると混沌として見える街の風景の中に、マイノリティを受け入れてきた土地の記憶や、
排外主義に抗う人々の意思が刻まれていることを、アンジーさんの体験を通して知ることができました。
「ごちゃごちゃしたところにこそ多様性を受け入れる温かさがある」という言葉が、
とても印象に残っています。

ベルリンという街を、観光ではなく生活者として見つめ、
そこから日本の社会や介護・移民のあり方を考えようとする姿勢は、
アンジーさんならではだと感じました。
これから語られるであろうドイツの移民政策の歴史や、そこでの気づきも、
とても楽しみにしています。

まもなく、クリスマス、そしてお正月を迎えますね。
この時期になると、私はいつも「日本って不思議な国だな」と感じます。

前回も少し触れましたが、1990年に入管法が改正され、血縁を根拠に日系の南米から多くの人が
日本に来ました。そこからおよそ35年が経ちます。しかし、外国から来た人たちとの「共生」が、
十分に進んでいるかというと、正直なところ、まだ道半ばだと感じています。

けれども、私たちの日常に目を向けてみると、少し違った景色も見えてきます。
クリスマスといえばケーキを食べてパーティーをする。ハロウィンやバレンタインなど、
外国から入ってきたイベントにも、多くの人が自然に参加しています。

食べ物も同じです。
コロッケはフランス料理の「クロケット(croquette)」が原型ですし、とんかつはヨーロッパのカツレツ
、カレーライスはインド発祥、ハンバーグはドイツ料理、カステラは南蛮菓子。
こうして見てみると、私たちの食卓は、もともと外国ルーツのものにあふれています。

それらが、ごはん、みそ汁、漬物、小鉢と一緒になると「定食」になり、
私たちの日々の食事になります。
食べ物だけを見ると、日本はとても自然に「共生」しているようにも感じられます。

私は、日本にはもともと、外国ルーツのものをうまく取り入れ、生活になじませていく力が
あるのだと思っています。
知らないうちに混ざり合い、気づけば「いつもの日常」になっている。そんな力です。

来年は、そんな日本人が実は得意なのではないかと思う「まぜこぜ」に、
より意識的に力を入れていきたいと考えています。
違いを特別視するのではなく、日常の中で自然に混ざり合うこと。
その積み重ねが、共に生きる社会につながっていくのではないでしょうか。

著:新美 純子
公益社団法人トレイディングケア 代表理事。
EPA看護師候補者の研究をきっかけに、日本で働く外国人の方々が、資格を取りながら安心して長く暮らし、働き続けられる社会づくりに関心を持つようになる。現在は、外国人介護人材の受入れ教育とともに、地域の中で多様な人々が自然に混ざり合い、共に生きるあり方を模索している。
多文化共生 つなぐ・つながるのクリスマスパーティでは
各国の料理が並びます。
多文化農園で採れたキャッサバを使って
「フィリピンケーキ」「ベトナムケーキ」
インドネシアのお祝いに食べる「ナシクニン」
インドのぜんざい「パヤサム」
HOME サイトマップ 問合せ