介護現場での外国人労働者(日本)
つづき
かつての「デカセギ」の時代から、2008年のEPA、そして2017年の技能実習への介護分野が追加されました。技能実習は表向きは「国際貢献」しかし、実際は人出不足を補う私た仕組みです。人出不足の人材として、私たちは彼らを「仕組みの一部」としてだけ見ていなかったでしょうか。
私は、2011年頃からインドネシアEPA看護師候補者の研究をしていました。彼らは毎日、オムツや入浴介助、移乗といった、とてもハードな仕事をこなしていました。そんな彼らがぽつりと漏らした言葉が、今も耳を離れません。
「日本人との接点は、職場のなかにしかないんです」
仕事が終われば地域から切り離され、一人の人間としての交流は同国人(インドネシア人)しかない。そんな孤独のなかで、彼らは「介護の担い手」としてのみ消費されていたように感じます。
あの時、彼女たちから様々なことを教えてもらいました。その経験から、介護人材の受け入れをするときは、彼女たちが求めていたことをやろう!と決めました。
介護を受ける高齢者は、ずっとこの地域で暮らしてきた人生の大先輩です。だから、スタッフが地域のルールや季節の行事を知ることは、単なる知識じゃなく、お年寄りの心に寄り添う「良い介護」に直結します。このためトレイディングケアの教育カリキュラムに「地域との繋がり」をあえていれています。それは、介護の仕事だけではなく、彼らが日本に来て、この街で人生を豊かにしてほしいから。高齢者と笑って話をすることが、会話の勉強になるし、何より彼らの心を温めてくれる。
多文化共生なんて難しい言葉はいらないのかもしれません。 職場を一歩出れば、みんな同じこの街の住民。 「お隣さん」として挨拶を交わし、相手の背景を少しだけ想像する。そんな小さな積み重ねが、この日本をもっと温かな場所に変えていくと信じています。
春が来るとまたアンジーさんに会えますね。その日を心待ちにしています。
新美より
